
屋上緑化は都市部における地球温暖化対策のひとつ
地球温暖化が深刻な問題となっている現代では、温室効果ガス(CO2)削減のための取り組みがあらゆる場所で行われています。そうした取り組みの中でも、とりわけ都市部で良く行われているのが屋上緑化の取り組みです。屋上緑化とは読んで字のごとく、ビルなどの建物の屋上に植物を植えることで、日本では1990年代から盛んに行われるようになりました。東京都や埼玉県、大阪府などでは一定基準を満たす建物を建築する際、その敷地内で一定の緑化を行うことが義務付けられており、実質的な屋上緑化促進政策が採られています。
また地域によっては屋上緑化のための助成金が出ている自治体もあり、地球温暖化の抑止に一役買っています。2001年から2005年の間には、日本全国の屋上、壁面の緑化面積がそれまでの約10倍に拡大しており、屋上緑化はもはやきわめて一般的な、地球温暖化防止対策といえるでしょう。
屋上緑化には人々の生活を向上させる効果もある
屋上緑化には地球温暖化防止の役割だけでなく、直接的に人々の生活を向上させる効果も見込まれています。例えば建物の防音性や断熱性の向上などは、その代表的なものといえます。また建物の美観や居心地が向上することも、屋上緑化がもたらす大きなメリットといえるでしょう。特にデパートなどでは古くから屋上庭園といったかたちでの実用化がされており、人々の憩いの場として長く役目を果たしてきました。
屋上緑化の今後の課題
屋上緑化の今後の課題としては、雑居ビルや集合住宅といった、規模がやや小さな建物への普及が挙げられます。屋上緑化の導入・維持には決して少なくないコストがかかるため、行政のより手厚い補助や、新たな技術革新が望まれているのが現状です。
屋上緑化は地域のヒートアイランド現象の予防に役立つメリットがあります。一方で植物や土などの重みが建物に大きな負担をもたらすのも事実です。緑化を施す際は重みに耐えるための補強工事が必須と言えるでしょう。